前の記事で「クルエルティフリーという表示だけでは足りない」と書きました。
では実際に、何を選べばいいのか。
この記事では、日本で実際に入手できるブランドを、認証の種類・親会社・購入先の情報を整理して紹介します。「おすすめ◯選」ではなく、自分で判断するための情報を提供することが目的です。
この記事の見方
各ブランドを以下の4つの軸で整理しています。
- 認証:Leaping Bunny(LB)、PETA、なし(自己申告)のいずれか
- 親会社:グループ全体の方針まで気にする人向け
- 中国販売:現時点での確認情報
- 入手先:日本でどこで買えるか
認証があるからといって完全ではなく、認証がないからといって動物実験をしているとも限りません。判断の参考として使ってください。
認証あり(Leaping Bunny)ブランド
LUSH(ラッシュ)
- 認証:Leaping Bunny
- 親会社:独立型(Lush Retail Ltd)
- 中国販売:本土では販売していない
- 入手先:全国の実店舗・公式オンライン
- 特徴:手作り・フレッシュコスメ。全商品がベジタリアン対応、約半数がヴィーガン対応。動物実験代替法の研究を支援する「Lush Prize」を毎年授与している。親会社まで含めてクルエルティフリーを確認したい人に最も適している選択肢のひとつ。
THE BODY SHOP(ザ・ボディショップ)
- 認証:Leaping Bunny
- 親会社:2023年にAurelius(ドイツのPEファンド)に売却
- 中国販売:要確認
- 入手先:全国の実店舗・公式オンライン・ロフト等
- 特徴:動物実験反対を創業時から掲げてきた先駆的ブランド。ただし親会社が繰り返し変わっており、2023年以降の体制変化は注視が必要。
WELEDA(ヴェレダ)
- 認証:Leaping Bunny(一部製品)、NATRUE認証
- 親会社:Weleda AG(スイス、独立型)
- 中国販売:中国本土での一般販売は確認されていない
- 入手先:ロフト・コスメキッチン・iHerb・公式オンライン
- 特徴:1921年創業のスイス発オーガニックブランド。植物由来原料にこだわり、合成保存料・合成香料不使用。一部製品には動物由来成分(蜜蝋等)が含まれるためヴィーガン対応は製品ごとに確認が必要。
Aveda(アヴェダ)
- 認証:Leaping Bunny(2022年5月取得)
- 親会社:Estée Lauder(エスティローダー)―動物実験を行う
- 中国販売:一部チャネルで販売あり
- 入手先:直営店・百貨店・公式オンライン
- 特徴:ヘアケアを中心とした高価格帯ブランド。Leaping Bunny認証は取得しているが、親会社のEstée Lauderは動物実験を行っている。この点を重視するかどうかが判断の分かれ目。
認証あり(PETA)ブランド
e.l.f. Cosmetics(エルフ)
- 認証:PETA(クルエルティフリー&ヴィーガン)
- 親会社:独立型(NYSE上場)
- 中国販売:中国本土での直接販売は行っていない(2026年確認)
- 入手先:iHerb・Amazon・一部ドラッグストア
- 特徴:全商品ヴィーガン・クルエルティフリーを徹底する数少ないメインストリームブランド。価格帯がプチプラで、ファンデーションやアイシャドウなど幅広いアイテムが揃う。PETAのみの認証なため独立監査はないが、中国不販売・親会社独立型という点では比較的クリアな選択肢。
NYX Professional Makeup(ニックス)
- 認証:PETA
- 親会社:L’Oréal(ロレアル)―動物実験を行う
- 中国販売:中国本土での販売あり
- 入手先:マツモトキヨシ・ドン・キホーテ・公式オンライン等
- 特徴:日本のドラッグストアで最も手軽に買えるクルエルティフリー認証ブランドのひとつ。ただし親会社L’Oréalは動物実験を行っており、また中国本土での販売も確認されている。ブランド単位で判断するか、グループ全体で判断するかによって評価が分かれる。
認証なし・自己申告でクルエルティフリーを表明しているブランド
認証マークを持っていなくても、動物実験をしていないと企業が表明しているブランドは日本にも多数あります。ただし独立した検証はされていないため、詳細はブランドへの問い合わせや公式ポリシーの確認が必要です。
資生堂
- 認証:なし
- 自社方針:2013年に化粧品・医薬部外品の動物実験を自主廃止と発表。代替法の開発・普及活動にも取り組む
- 中国販売:あり(特殊化粧品カテゴリーも含む)
- 備考:中国販売の特殊化粧品については動物実験が関与している可能性がある。普通化粧品カテゴリーと特殊化粧品では状況が異なる
花王
- 認証:なし
- 自社方針:動物実験を原則廃止。代替法の研究・普及に積極的に参加
- 中国販売:あり
- 備考:資生堂同様、中国販売の製品カテゴリーによって状況が異なる
SHIRO(シロ)
- 認証:なし
- 自社方針:動物実験不実施を表明
- 中国販売:確認されていない
- 入手先:直営店・百貨店・公式オンライン
- 特徴:北海道発のナチュラルブランド。食材・植物原料を使った独自の成分設計が特徴。認証はないが独立系ブランドで透明性は高め
ママバター(BbyE)
- 認証:なし
- 自社方針:全商品ヴィーガン対応・動物実験不実施
- 親会社:BbyE(ビーバイ・イー)―クルエルティフリーを表明
- 入手先:ドラッグストア・ロフト・公式オンライン
- 特徴:日本発で手軽に入手できる数少ないヴィーガン対応ブランド。認証はないが親会社も同方針。価格帯も手ごろでハンドクリームやボディクリームが人気
選ぶときの実践的な確認手順
- Leaping Bunnyのサイトで検索する(leapingbunny.org) 気になるブランド名を入れると認証の有無と詳細が確認できる
- PETAのデータベースで確認する(peta.org/beauty-without-bunnies) Leaping Bunnyより幅広いブランドが登録されている
- 中国販売の確認はブランド公式サイトか問い合わせ 「Do you sell in mainland China?」と問い合わせると明確な回答が得られることが多い
- 親会社まで気にする場合はEthical Elephantが便利(ethicalelephant.com) 英語サイトだが、ブランド名で検索すると親会社情報も含めた詳細な調査結果が出る
まとめ:どれを選べばいいか
「一番確実な選択肢」を求める場合は、LUSHかWELEDAが現時点でベースラインになります。Leaping Bunny認証・親会社独立・中国本土不販売の3条件が揃っています。
「ドラッグストアで気軽に買いたい」場合は、**e.l.f.**がPETA認証・親会社独立・中国本土不販売の観点では比較的クリア。ただし独立監査はないことは踏まえておく必要があります。
NYXなど親会社に動物実験を行う企業がある場合は、「ブランド単位で判断するか、グループ全体で判断するか」という自分の軸を決めておくことが重要です。
どの選択も「完全」ではありません。大切なのは、情報を持ったうえで自分の許容ラインを決めることです。

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